浜松町BV付近本線切替復旧 !



都営地下鉄12号線建設に伴う線路切替復旧

平成18年6月3日深夜〜4日早朝にわたり、東海道新幹線浜松町Bv付近下り本線 切替復旧工事が実施された。この日の工事は海側に敷設してある下り仮設線を山側に移動して下り本線とするもので、これで必要 な一連の工事が完了した。

東海道新幹線浜松町Bv付近防護工工事

この工事は、都営地下鉄12号線が新幹線と交差する工事に伴うもので ある。平成11年の仮線切替、同年の都営地下鉄12号線のシールドトンネル工事の完了後、平成17年上り本線切替復旧が施工され、今回が最終切替 工事となりました。

■ 都営地下鉄12号線との交差に伴う切替計画

浜松町Bv付近の地盤は非常に軟弱なため、都営地下鉄12号線との交差部分に対して、新幹線構造物への影響が懸念された・・・。

■ 切替平面略図 ■
  そこで海側へ約20mの位置に仮線を設け、線路切替を実施。交差部分の防護工を 施工し、都営地下鉄12号線のシールド工事は平成11年12月に開通。翌年12月には、都営地下鉄12号線が開業しました。

その後、復旧線の構造物、架道橋、路盤などの構築を進め、平成17年7月に上り線、平成18年6月に下り線の切替を実施しました。

上り線切替後、下り線の切替までの約10ヶ月間は、 主に電力洞道立坑の 構築を行った。これは、浜松町FCから、 東京〜大崎間の電力供給ケーブルや信号通信ケーブルを含め計30本のケーブルが通る立坑で、線路切替に伴い発生する支障のため移転を行いました。 非常に狭いエリアでの作業で、工事期間の途中には、新ATCシステムへの切替もあった関係で。約10ヶ月間というのは決して余裕のある期間とは いえませんでした。

線路切替は、東京寄り、品川寄りのそれぞれの切替点で仮線のレールを切り離し、本線にあらかじめ敷設しておいたレールとともに枕木ごと 横移動させ、お互いのレールを近づけるように接続しました。その後、架線のつなぎ替え調整、信号確認試験などを行いました。通常の饋電停止 時間である0:20〜4:30の250分間だけでは工事を完了することが困難なため、一部の回送列車を東京駅に滞泊させるダイヤを設定。また、確認車の ダイヤも変更し、23:55〜4:50の295分の作業時間を確保して、総勢約610人による体制で施工にあたったのでした。



◆ 切替完了当日は幹鉄初夏祭り! ◆

何といっても切替当日は、マニア心をクスグル車両達の登場で、ズバリ沿線は“幹鉄初夏祭り”T4,C1,Z0,J1と事業用車両に現役量産先行試作車 3編成が加わるというお膳立て・・・

下り本線切替復旧当日の様子
■ 初陣はT4の線路切替工事終了後の確認走行

この日、T4が線路切替復旧工事終了後の確認走行を実施しました。前日 に東京ホーム上げをし 、当日は東京駅を5:30に発車しました。私が待ち 構える浜松町駅Boから新橋方向に前照灯の光が見えたのが5:33だった。 最初にシャッターを切ったのが5:37、左の写真がそれである。
  なお、この下り本線切替復旧工事は当初の予定より繰り上げスタートと なり、確認走行も5分前倒しのダイヤで施行されました。

そして直ぐにレンズを標準系に交換し再び シャッターを切った・・・下の写真。線路切替区間の2K580M〜3K590Mを30q/h以下で の確認走行を実施しました。またこの区間は当日、初列車〜終列車まで臨速70信号で運行しました。 当日の日の出は、4:26 晴れていれば露出は十分。しかしこの日は曇りだった。 そこでフィルムをRXPに入替え撮影しました。このフィルムは既に4月中に十分な試撮りを行っていたので、今回の場合非常に心強い味方となって くれました。

東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo
H18. 6. 4 5:37 6701A T4
Canon EOS 3 EF400oF2.8L IS USM×EX1.4
1/250sec f4 RXP+1
東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo H18. 6. 4 5:37 6701A T4
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (60o) 1/250sec f4 RXP+1
    右側が旧仮線・・・  今回は、記録写真として旧仮線を入れての撮影でしたが、
    今後の撮影は、汐留シオサイトの超高層ビル郡をバックに入れた方がいいかもね・・・。

今度は浜松町駅Boの品川側のアングル。6号車の検測用パンタがあるキャビティ内からはレーザー光線がトロリ線に当てられているのが判る。 また、仮線との切替部周辺には工事関係者数十名が整列し、このT4の確認走行を見守っていた。

東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo
H18. 6. 4 5:39 6701A T4
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (35o)
1/250sec f4 RXP+1
東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo
H18. 6. 4 5:39 6701A T4
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (35o)
1/250sec f4 RXP+1

T4の確認走行が終わると、いよいよ1番列車がやってくる。この間約20分のインターバルに露出が約1段程度上がったため、フィルムをRDPVに した。6:03所定1Aがやってきた。この日はW6が充当されていた。運○○○にT氏がいた頃は、こんな時は必ずW1を入れてきたのになぁ・・・でも W1は5月15日から全検入場中だから当然無理というもの。

東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo H18. 6. 4 6:03 1A W6
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (60o) 1/200sec f2.8 RDPV+1


■ T4の線路切替工事終了後の再確認走行

この日、昼前に再びT4の確認走行が施行された。今度は、線路切替区間を営業列車と同じ臨速70信号での走行だった。

東海道新幹線 品川〜東京 浜松町駅Bo
H18. 6. 4 11:06 6702A T4
Canon EOS 3 EF17-35oF2.8L USM (20o)
1/1000sec f2.8 RDPV+1
東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo
H18. 6. 4 11:28 6703A T4
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (50o)
1/800sec f3.5 RDPV+1

■ Z0またまた東上 !

そういえば、平成17年7月24日に上り本線切替復旧 工事が施工された当日は、Z0の初東上となる東海道通し試験とT5の検測機器走行試験とがあり、やはりこの日同様沿線は夏祭りでした。

東海道新幹線 品川〜東京 浜松町駅Bo
H18. 6. 4 12:33 7958A Z0
Canon EOS 3 EF17-35oF2.8L USM (20o)
1/2000sec f2.8 RDPV+1
東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo
H18. 6. 4 12:56 6637A Z0
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (60o)
1/1250sec f5 RDPV+1

東海道新幹線 東京〜品川 浜松町Bv付近 H18. 6. 4 12:53 29A C1
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (60o) 1/1250sec f5 RDPV+1

何故か、浜松町Bv付近の線路切替当日にはZ0がやってくるのである。今回もまたまたやってきましたZ0! おっと、その前をゆく6Aはなんと C1ではありませんか・・・ということは、この日博総車から東京までC1とZ0は 仲良く雁行して きたのでした。量産先行試作車同士の雁行ねぇ、う〜ん実にマニアっく!

この後両9000番台は、C1が29Aで博総車へ行き、Z0は6637Aで東一両へ入庫しました。東京〜品川間、浜松町Bv付近切替当日の下り本線、 札の辻Bo付近までの約5キロを両車は雁行したわけです。

さて、この後夕刻にJ1が翌日深夜に名古屋〜岐阜羽島間で施行されるATC確認走行に伴い、東二両から名古両に回送されました。これによって 現役の量産先行試作車3編成全てが切替当日に、復旧した下り本線を走行したことになりますねぇ・・・。




都営地下鉄12号線建設に伴う線路切替に登場した歴代Dr.イエロー!

■ 今となっては懐かしいありし日の長老・・・
東海道新幹線 品川(信)〜東京 鍛冶橋Bv付近 H11. 7.18 6:02 7766A T2
Canon EOS 100 EF70-200oF2.8L USM (135o) 1/250sec f2.8 RDPU+1

最初の浜松町Bv付近の線路切替は、平成11年5月16日未明に行われました。まず、下り本線を海側に仮移設する工事から着手。これは、 都営地下鉄12号線建設に伴う防護工を施工するために東海道新幹線及び東海道本線を順次海側に移設し、その空いたスペースを利用しそこから 防護工を施工するためのもので、その最初の線路切替工事でした。この日は、雨の中切替工事が施工され、終了後の確認走行はT3によって施行されました。 丁度この時T2は、検測機器調整の関係でT3が電気軌道設備測定の合間にこの確認走行を実施しました。

続いて施工された、浜松町Bv付近上り本線切替工事は、平成11年7月18日未明でした。この時の確認走行はT2とあって撮影の方も気合が入り ました。右の写真は、梅雨明け間近の早朝の東京駅・・・1001Aが発車したその直後に58号ポイントからU17へ進入してきたT2。



■ 平成11年浜松町Bv付近仮設線の様子

・・・この時はJ1もまだ現役営業列車として活躍していた。T2も勿論、現役電気軌道総合試験車 として検測を施行していた。

東海道新幹線 東京〜品川(信)浜松町駅Bo
H11. 9.30 14:24 233A J1
Canon EOS 5 EF70-200oF2.8L USM (85o)
1/1000sec f5.6 RDPV+1
東海道新幹線 東京〜品川(信)浜松町駅Bo
H11. 6.27 11:28 6963A T2
Canon EOS 5 EF70-200oF2.8L USM (135o)
1/1000sec f4 RDPU+1

この頃はまだ汐留地区再開発工事が着工されたばかりで、バックの超高層ビル群はなく、今の汐留シオサイトを予想するに至らなかった。



浜松町Bv付近上り本線切替復旧
■ MTT&DTS

あれは、平成17年6月下旬のことだった。通勤電車の車窓 にマルタイと そのパートナーのDTSの 姿が映った。よく見るとそこは浜松町・・・おぅそうか、そろそろ本線切替復旧だなぁ〜。そこには真新しい軌道、架線柱があった。後は架線を 張り線路を切替えるばかりの状態でした。

MTTとDTSは復旧する上り本線上に留置してありました。これは恐らく、切替当日の作業の短縮を図るためと、リハーサルのために留置されて いたものと思われます。

切替当日は、MTTとDTSを3組投入し、軌道及び道床の安定を図りました。


■ 浜松町Bv付近上り本線切替復旧後の様子

平成17年7月24日上り本線切替当日は、不覚 にも寝坊してしまい早朝のT4を撮れずに仕事に出掛けました。またこの日は、前述のとおりZ0の初東上とT5の検測装置走行試験もあり沿線は夏祭り!  そんな状況下で唯一女神様が微笑んでくれたのがZ0の東京初入線シーンでした。プレス関係者やマニアでごった返すホームとは裏腹に、こちらは 仕事の休憩時間を利用して、余裕のワンショット!

東海道新幹線 品川〜東京 鍛冶橋Bv付近 H17. 7.24 9:52 7880A Z0
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (60o) 1/500sec f5.6 RDPV+1

上り本線切替復旧後10ヶ月11日間は、上下線が離れた状態にありました。下り本線の切替まで約10ヶ月間の余裕をみたのは、皆さんもご存知の とおり新ATCの関係です。上り本線切替復旧直後は新ATC現示試験の真っ最中。そして10月からは新ATC乗務員訓練運転が始まり、平成18年3月18日 の新ATCシステム実用開始に向けで総力を上げていました。

▼ 新ATC現示試験を終えて東二両に回送するT4
東海道新幹線 品川〜東京 浜松町駅Bo
H17. 8. 7  9:33 7890A T4
Canon EOS 3 EF17-35oF2.8L USM (20o)
1/1000sec f4 RDPV+1
東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo
H17. 8. 7  9:46 6737A T4
Canon EOS 3 EF17-35oF2.8L USM (20o)
1/1000sec f3.5 RDPU+1

◆ 平成17年盛夏! 浜松町Bv付近の様子 ◆

今となっては、AMBITIOUS JAPAN ! も113系も懐かしい・・・最近では10年ひと昔なんて言葉は通用せず、ちょっと大げさ だが1年ひと昔と言ったほうがこの超高速時代にマッチしている感じがする・・・


平成17年7月24日〜平成18年6月3日まで浜松町Bv付近は、下り仮線、上り本線という光景が見られた。

◆ 平成17年初冬! 浜松町Bv付近の様子 ◆
東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo H17.11.28 13:50 3983A T5
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (60o) 1/800sec f2.8 RDPV+1



平成18年9月4日早朝、都営地下鉄12号線建設に伴う線路切替及び復旧工事が完了しました。はっきり言ってしまうと、写真的には仮線の頃の ロケーションの方が良かったです。

 左の写真・・・黄色い新幹線のバックには 、黄色い杭打機!光線状態良好・・・ 初冬の陽射しは低いので、すぐにビルの影が伸びてきてしまう。このタイミングを逃したら全てがパーになる。下り仮線で撮った唯一のT5がこれだ。 上り仮線の架線柱及び架線が撤去された後の撮影のため、車両全体をすっきりと捉えることができました。

柔らかな陽射しを浴びて下り仮線をゆく、しあわせの黄色い新幹線といったところかなっ・・・。



■ その後の浜松町Bv付近

本線切替復旧後は、仮線の撤去工事が進行している。その奥では汐留シオサイトの超高層ビル群が次々と建ち上がってきている。

東海道新幹線 東京〜品川 浜松町駅Bo H18. 6.21 16:19 3793A J1
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (50o) 1/1000sec f2.8 RXP+1

平成18年6月4日本線切替復旧から2週間が過ぎた6月21日、既に仮線の架線やビーム、上り仮線のレールまでが撤去されていた。それは、 進境著しい現在の大都会の様子を象徴しているかのようでした。


おかえり新幹線!
■ 2006年といえば、やはりサッカーワールドカップドイツ大会

本線切替復旧が完了すると、やはりこのアングルが完全復活! 浜松町名物“小便小僧”だ。上りアングルは、平成17年7月24日に復活し、 今回待望の下りアングルが復活した。狙いは、パールホワイトに赤い後部標識灯と白地に赤くの日の丸だ!

この時既に、小便小僧は2006ワールドカップバージョンになっていました。小便小僧は 毎月1回着替えを します。従ってこの期を逃したら2度と同じものは撮影できなくなる・・・。

  この場所での撮影は、ホームが狭いため乗降客の妨げにならないように 注意して撮影しよう。乗降客の少ない時間帯、曜日を狙うのがコツ・・・。

東海道新幹線 東京〜品川 (浜松町駅構内)
H18. 6.24 6:56 7817A Z0
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (28o)
1/1600sec f3.5 RXP+1
東海道新幹線 品川〜東京 (浜松町駅構内) H18. 6.24 6:36 6638A Z0
Canon EOS 3 EF28-70oF2.8L USM (50o) 1/1000sec f4 RXP+1

このとき小便小僧は、うつむきながら・・・ 「おかえり新幹線」 と、言ったような気がした・・・。



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