全検後の試運転に出発するJ1





◆経年対策◆

全般検査

新幹線電車は走行距離90万q以内、もしくは36ヶ月以内に オーバーホールを行う。 これを「全般検査」(全検)という。全検は通称 “A全検”と“B全検”の2種類に分けられる。


■ A全検

大部分のパーツを取り外し解体し詳細に検査する。台車・モーター・ブレーキ装置・集電装置・ATC装置 などを修繕、交換。性能確認試験を実施。外板の修繕、塗装。シートのクリーニングなどを行う。


■ B全検

4回目の全検を目安に行われ、A全検の内容に加えて、高速車両独特の機能である車体の機密維持の修繕、 及び車体機密試験を行う。

  平成14年に「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」が施行され、 新幹線電車の全検及び台検の周期が延伸可能となった。東海道新幹線では、検査の確実性、信頼性を更に高めるため3年間の検証期間を 経た後、平成17年3月1日から、全検は36ヶ月または120万q以内。台検は18ヶ月または60万q以内と延伸を実施した。


【前部標識灯間、非常連結器開閉扉の修繕】

整形されたJ1

平成11年3月23日〜4月14日、4回目の全検入場の際、“J1の顔”が整形された。非常連結器開閉扉部分のステンレス飾り帯を取り 除き、段差を埋めて量産車両同様に単純グレー塗装化した。理由は修繕をしやすくするためのもので、スラント型ノーズの300系では高速 走行中、この部分に鳥などが衝突しその衝撃でアルミ合金ボディーは陥没する。そのたびにステンレス飾り帯の交換など、修繕に手間隙が かかっためである。

▲ 更新前▲ 更新後

顔つきが変わったJ1

更新後初めてJ1を見た時は、写真撮影に夢中でその部分に気づかず、仕上がった原板を見るまでは判らなかった。更新後は顔つきが優し くなった。しかし、個人的には更新前の顔の方が好きだった。


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