飛翔ホワイトイーグル!


Prologue


99A運転リハーサル!

平成19年7月1日いよいよN700系新幹線電車が営業運転を開始した。なんといっても目玉はダイヤに新設された99Aである。“幹線ツウ” ならお解りでしょうが、今回のダイ改は平成2年3月14日のダイ改によく似ているとお気付きでしょう。つまり時隔の関係上規格ダイヤ パターンから外してN700系の速達ダイヤを設定している。昼間の規格ダイヤパターン内のN700系での運行列車は当時の黒びかりと同じだ。また、 1Aに先行する99Aは翌年3月18日から始まった301Aと1Aの雁行ダイヤを思い出させる。

■ 99A新設!

まず始めに、平成19年7月1日のダイ改の目玉99Aの新設理由についてお話しましょう。平成19年7月1日のダイ改で東京6時発の1Aに 先行する品川6時始発の99Aを新設すると早々平成18年12月22日発表された。これは、対航空競争力アップを狙った先制パンチだっ!この 99A名古屋には7時29分45秒、新大阪には8時19分45秒、新神戸には、8時34分15秒にそれぞれ到着する。平成19年6月30日までの首都圏 からの1番列車1Aより名古屋で10分、新大阪・新神戸では、11分早く到着する。これにより関西方面で9時前に余裕を持って到着できる エリアの拡大を図ることが可能となった。

元々東京6時発の1Aは、平日、休日に関係なく乗車率が高い。混雑緩和のため続行する9201Aを略毎日設定してきたが、それでも山陽方面 に直通し、速達性も高い1Aは人気列車だ。そこで今回、301A以来の裏技とも言うべき99Aの登場となった。

元々首都圏内の第2のターミナル駅として開業した品川駅を利用 して、6時始発の、のぞみ号を設定した。これによって山陽方面への十分な輸送力を確保するとともに、早朝の利便性を向上させるのが 狙い。今から考えれば、J1の走行試験の時やZ0の走行試験の時も数回品川引上に 滞泊させる試験ダイヤを設定していたのを思い出す。この頃既に99Aの青写真はあったと聞くが・・・これで99A新設の発表が早かったのも 頷けるのだ。

■ なんで99Aなの・・・?

1Aに先行するNWの 列番・・・を何Aにするか?1A〜97Aの列番が既に使用されている関係で空き列番は99!・・・1の前の数字は0だから根本的に使用不可 だが、0はコムトラ上99で表示される。これで列番は99Aに決まり 。1Aに先行する列車は99A。私が最初にこの列番を見た時、思わず ニヤリ・・・ N700事務局のボスの顔が浮かんできた。


【 平成19年5月19.20日、6月2.3日99A運転リハーサル実施 ! 】

平成19年5月19.20日、第1回目の99A運転リハーサルが実施された。 これは営業本番と同じダイヤで 計画さた。初陣はZ1が充てられ、東二両を出庫して東京で折り返し、品川D1#へもってゆきP2で滞泊する。即ちこの行路が営業開始後 のA1になるのだ。

■ 夜の東京駅
▲ 東二両から6700Aで東京に現れたZ1 H 19.5.19

5月19日の夜、東二両を出庫したZ1は東京駅U17#に到着した。通常であれば74Aが到着する時間帯なのだが、この日の74A-1659Aは着発線 変更によりU19#の着発となっていた。

21:30になるとJR-C社の担当社員3名と乗務員3名、JRCP担当社員3名と係員10名が東京駅第8ホーム11号車付近に集合し、点呼の のちそれぞれの立位置にて6700Aの入線を待った。

当日、東京駅では車販装備の積み込みと乗務員の乗車リハーサルが行われた。6700Aは東二両出庫時から1〜6.9.12〜16号車の側引戸が 施錠されていて積込みの行われる11号車の業務用ドアの開閉はDコック扱い。つまり11号車付近で入線待ちをしていた乗務員は一旦16号車 より車内に乗込み車内通路を通って11号車の業務用ドアまできてDコックの取扱いを行った。


車販装備の積み込みは、ワゴン3台とボックス3個がそれぞれ積み込まれひとつひとつが担当者によってタイム計測された。乗務員訓練や 現業社員試乗などはZ0の長期耐久試験などで行われていたが、車販装備の積み込みは今回が初めてとなる。

さて、この後品川へは433Aを利用し先回りした。3分30秒の先着だった。


■ 品川駅の様子

433A発車直後の品川駅に8601Aが入線してきた。土曜日の夜、しかも最終の名古屋行きHKの発車後とあって、ホームには乗降客の姿が見当 たらない。下りホームでは、関係者の入念なリハーサル及び項目のチェックが行われていた。

所定、品川駅D1#に到着した8601Aは20分後にP2へと回送された。

▲ 5:00 品川駅はそろそろお目覚めの時間だ・・・

翌日5月20日、品川の改札オープンは5:45。8603AはP2を5:51に発車する。当然、現地でのカメラセッティングの余裕などない。そこで、 ファーストショットに必要な装備をスタンバッて乗り込むことにした。5:40係員が現れ改札オープンの準備を始め、シャッターは5:45 所定に上がり、ダッシュで上りホーム12号車付近へ向かった。

5:51早朝の品川駅構内に独特のタイフォンが鳴り響き、8603AはゆっくりとP2を発車した。整備台先端には係員が起動状態のチェックを 行い力行状況を監視していた。整備台先端〜D1#停止位置目標までは約580m 。P2発車D1到着までは所定 4分。8603Aは約10q/hの速度でD1#へと進入してきた。品川下り1番5:55定着!ジャスト4分、実に素晴らしい、見事なハンドル捌き だった。ちなみに2回目のリハーサルの時はホーム進入後に若干再加速したが、初日はパーフェクトだった。この辺はやはり運転士の手腕 であろう・・・。

下りホーム先端、1号車付近では出発式の立位置などの確認が行われた。また、8603Aはここ品川駅で は側引戸を車掌スイッチ扱いで行い、 パーサーによるグリーティングなどのリハーサルも行われた。そしてパーサー達はそのまま8603Aに乗り込んだ。


6:00 8603A品川下り1番定発!私の横にいた係員は起動確認の通知・・・それにしても今更ながら通勤電車並みの加速は、圧巻である。 こいつはN7の武器のひとつといえよう・・・私が幼年時代、七五三のお祝いに初めて新幹線電車に乗車した時、いつ起動したか判らない ほどゆっくり走りだしたのが印象的だった。いわゆる流しノッチと呼ばれる発進だ。最近の新幹線には、この言葉は当てはまらないの では・・・2.6q/h/sの加速性能は実に素晴らしい。この後、Z1は新横浜U1#で8600Aとなって東京へと折り返した。

■ 朝の東京駅

6:4245 8600Aは東京駅15#に定着!今度は、昨晩積み込んだ車販装備を積降ろす作業が開始された。 積降ろし作業も積込み作業同様に担当者がタイム計測をしていた。

車販装備が降ろされると、先程品川駅から乗込んだパーサー達が降りてきた。彼女達は一様に整列し点呼ののち引き上げていった。 こうして第1回目の99A運転リハーサルは無事に終了した。Z1もこの後6701Aで東二両へと入庫した。この後、関係者の面々は第1回目の 99A運転リハーサルの報告書のまとめや、2回目のリハーサルに向けた準備に追われたと聞く。



■ 平成19年6月2.3日リハーサルPU

第2回目の99A運転リハーサルは、Z3編成が充てられた。そして一部報道公開もされた。運転行路は前回同様だが、リハーサル終了後は 東京〜新大阪間をひとヤマする走行試験を実施したのち東二両へと入庫した。

翌週、万全の体制でダイヤ改正を迎えるためJR東海新幹線鉄道事業本部は「ダイヤ改正実施本部」を設置。新しいダイヤを管理、円滑な 移行を図った。

▲ 4:50頃のダイ改当日の改札前・・・5:00を過ぎると乗客が増え始めた。

そして迎えた平成19年7月1日、私は品川駅南口自動改札を1番で通った。目差すはU1#新横浜寄り先端・・・

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