99A出発式 |
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平成19年7月1日いよいよ待ちに待ったN700系新幹線電車が営業運転を開始した。当日私は新幹線品川駅南口改札前に5:50過ぎに到着 した。既に報道関係者などが数名いた。一般客と思われる人々は疎らだが10名弱ほど見受けられた。しかし改札前のシャッターにへばり 付いている者はおらず、こちらとしてはホッとした。早速私は上りホームの階段に一番近い自動改札機の前に陣取った。
▲ 品川駅コンコース天井には大型のバナーが十字に吊るされていた。 |
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5:00を回ると次第に人が改札のシャッター前に集まり出した。報道関係者はこの時点で社員通路からホームに入った。5:15には係員が 現れ、5:30にシャッターが上がり改札を開始することを告げた。その際、シャッターが上がりきってからの入場と、構内は走らないで下 さいとのことを呼び掛けた。この後5分おきにこの説明と呼びかけが繰り返された。途中、知人である総務科長のS君も姿を見せた。当然 ながら品川駅の関係者、駅長以下の首脳陣は全員前日泊りでこの日を迎えていた。
5:30所定に改札が開いた。私は南口自動改札を1番で 通った。そしてすぐ右手にある階段を降り上りホーム新横浜寄り先端へと向かった。このルートが最短なのは事前調査済みだ。何故なら 新幹線攻略法の中でも述べているが、品川駅新幹線上りホームのエスカレーターは全て上りとなっているため南口改札から入りすぐ右の 階段を降りるのが最短という結論からだった。
平成19年7月1日のダイ改というのは大変ありがたい・・・基本的に日曜日以外は仕事の私にとって願ったり叶ったり。そこで99Aの 出発式を撮ってその後1Aに記念乗車するという企画を私なりに立ててみた。1Aは指定券の前売りがあるが、出発式の撮影場所にはそんな ものは当然ない。そこで事前に99Aのリハーサルなどに出掛けたり、品川駅の知人などから当日の規制の中撮影可能かどうか聞いたりして みた。結論から言うと上りホームから広角レンズで撮影可能!
改札開始5:30、1分もあれば目的の場所に到着できるはず・・・まずは軽装で行くことが条件、そしてフロントロウから撮影すればまず 大丈夫。そのためこの日は、必要最小限の装備で行動した。
当日の下りホームの報道関係者はこのような状況で撮影していた。ホームのドライエリア内に雛壇が設けられ下段にはTV、上段には写真 撮影と分かれていた。上りホームのドライエリアには写真撮影組みしかいなかった。一般客はその前での撮影・・・つまり報道陣より前に 陣取れるわけだが、この位置では当然広角レンズがなければ意味をなさない!20o〜35oを使用できるレンズが必要不可欠!
一般客の場所取りはF1の予選より熾烈だった。“速いもん勝ち”はどの世界でも一緒。当然割り込みが掟破りなのも一緒。出る、引くの 駆引きができない者はこのような場所での撮影不向きである。
さて、肝心の99Aだが、この日は出発式とそれに伴う混雑緩和のため10分前倒しの運転手続きが取られていた。
5:41 品川P2を静に動き出した99Aは出発式の行われるD1#へと入線してきた。品川駅構内にはN700系新幹線の出発式を担当する司会者の声 が響き渡り、俄かに盛り上がってきた。
▲ 品引P2からD1#へ入線してきた99A=Z1 |
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この日のN700系デビューに備えてJR東海は、 「ダイヤ改正実施本部」を設置した。 万全の体制でダイヤ改正を迎えるためで、6月上旬には1回目の会議を開催した。改正前日の6月30日には「新ダイヤ移り替り実施本部」 を設けて新しいダイヤを管理、円滑な移行を図った。そして更に予備編成を東京駅15# と新大阪駅5#に1編成ずつ滞泊させるといった異例の布陣でダイ改当日に臨んだ。 この異例の対策に関係者の間では、「そこまでやる必要があるのか・・・!?」 などの声も上がっていたと聞くが、何せ万が一は絶対に あってはならないという上層部からの命令!念には念をということからこのような対策が取られた。はっきり言って異常なまでの対策、 まぁ良い意味で解釈すれば、それだけこのN700系に対しての意気込みが強烈だということになろう・・・。
初陣の99Aは予定どおりZ1が充てられた。フラッシュシャワーを浴びて99A=Z1はD1#に5:45定着!と同時に出発式が、東海旅客 鉄道株式会社代表取締役社長 松本 正之氏の挨拶で始まった。また出発式会場の関係で99Aの1号車前寄りの ドアの取扱いは行わなかった。
松本社長に続いて、西日本旅客鉄道株式会社代表取締役副社長 佐々木 隆之氏。東海旅客鉄道株式会社専務取締役(新幹線鉄道事業本部長) 阿久津 光志氏の挨拶。次に当日の99A運転士、車掌長、チーフパーサーのそれぞれに花束の贈呈が行われた。
5:55 セレモニーもクライマックス。99A出発式のテープカットを行う松本 正之 JR東海社長、佐々木 隆之 JR西日本副社長、阿久津 光志 JR東海新幹線鉄道事業本部長、勝治 秀行 JR東海新幹線鉄道事業本部運輸営業部部長、建守 猛 JRCP社長が最前列祝帯の前に整列。 荒木 幸二 JR東海東京第一車両所長、大庭 孝志 JR東海東京第二車両所長らがくす玉の前に整列した。そして、5:59"45 西沢 義人 JR東海 品川駅長の出発合図でテープカット及びくす玉開花が行われた。
6:00 駅長の右手が高々と上がり、あの独特のタイフォンが鳴り響くと99Aはフラッシュシャワーを浴びて発進した。ご自慢の加速性能を 持つホワイトイーグルは、瞬く間に我々の視界から消えていった。
時同じく、東京駅からは1A=Z5、新大阪駅からは100A=Z4がそれぞれ発車した。N700系デビュー・・・ここに新幹線新時代到来!
99A発車後も式典は続行された・・・。私はこの後、1Aに乗車するので99A発車後にD0#へ向かった。
平成19年7月1日6時・・・梅雨空の品川駅を99Aは一路博多を目差して出発して行った。そして、その6分後には1AがD0#に到着!この 日より99A,1Aの雁行ダイヤが始まった。私はどうしても平成3年3月18日〜平成9年11月28日まで続いた301A,1Aの雁行ダイヤと比べて しまう・・・しかし、700系以来8年ぶりの新型車両、「より速く、より快適に、より上質に」 技術的にも最高水準にあるN700系による このダイヤは、その当時とは比べ物にならない程色々な意味でハイレベルなダイヤといえよう・・・また、今回のダイ改は単にN700系の 先行開業に過ぎない。今後、全てのNWがN700系化し、ダイヤパターンが確立されたときは、更にハイレベルなダイヤに成ることは間違い ないでしょう。
本部サイドでは、N700系営業運転開始に合わせて企画部にあったN700プロ走行試験事務局はZ0編成走行試験事務局へと移行した。
N700系のデビューで益々意気上がる東海道・山陽新幹線!まずこの私が、初日の1A乗車の様子などを中心にご紹介いたしましょう・・・。
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