J1に与えられた第3の使命、それは新ATC現示試験。営業列車の終了後の時間帯、試験車両に新ATC信号を現示し、その性能確認試験を行う ものである。J1の5全検後に行われた新ATC走行試験は、新ATCを実用可能なものにするためのテストでした。今回 の場合は、いわゆる新ATC本番前の予行演習といったら解りやすいでしょう。
新ATC現示試験を施行するにあたっては、各駅間ごとに試運転日を設定し、 以下の運転手続がとられた。
1.列車保安方式 |
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次の列車は、運転方法を『検知式』とする。 ○/○ ○○○○A ○○○ 〜 ○○ ○/○ ○○○○A ○○ 〜 ○○○ | |
2.試運転電車列車の取り扱い方 |
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ア.試運転電車列車には、試験関係者が添乗する。 イ.試運転電車列車の運転については、運転指示責任者の指示による。 | |
3.保守作業列車間合いの一時限り取消し |
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○/○ 翌日にわたり ○○(構内含む) 〜 ○○○(構内含む) |
撮影の狙いは、週末の回送と、東二両への早朝回送だった。また、日曜日の夕刻の回送もあったが 、なかなか思うようには撮らせてもらえ なかった。
▼ 週末の午後に大一両へ ▼ | |
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▲ 新ATC現示試験に伴う回送 J1=7893A |
▲ 新ATC現示試験に伴う回送 T4=7891A |
平成17年8月22日に行われた新ATC現示試験を例に解説しましょう。
この日は、J1とT4によって新ATC現示試験が行われました。下記の列車運転状況表見ると一目瞭然。J1とT4がそれぞれ新横浜、小田原を同時に 発車し中間地点ですれ違い、新横浜と小田原に同着するという行程。
単純にこのダイヤから分析すると、新横浜〜小田原間の距離は51.2qなので、約20q/hでの走行になる。そしてすれ違いの中間地点はというと・・・ 東京起点から51.1キロ、つまり相模川B上となるのだ。
新ATC現示試験の開始に当たって指令は 、新ATC現示試験に伴う随時加圧停止を通告し、 終了後に関係各駅上下線扱い移行。関係各駅は指令より 列車保安方式の変更打ち合わせ及び開通確認後の進路構成の指示を受け、隣駅と相互打ち合わせ及び開通確認。これより関係各駅 のてこによる進路構成扱いとなる。 そして始発列車の運転士と の交信を開始し 構内無線で出発合図を送る。
これより新ATC現示試験の開始! シヨ:「8625A 0:25 新横浜定発!」 オタ:「8620A 0:25 小田原定発!」
関係各駅は、発車直後に隣駅と指令に発車の通知。これを現発通知という。そして指令は、関係各駅より
現発通知を受領。
新横浜、小田原を同時発車したJ1とT4は新ATC現示に従い走行を開始。走行時の細かな指示は、添乗の運転指示責任者により出される。まずは
中間地点目差して約20q/hでの走行。運転士は、新ATC現示による自列車の位置を、運転指示責任者と相互確認しながら走行を続ける。中間地点が
近づくと自列車の位置、相手列車の位置を指令に確認。そして2:10新横浜〜小田原間の中間地点にて擦れ違う。
擦れ違いを終えた両試験列車は到着駅に接近すると、関係各駅に通知。 関係各駅は地上信号機により場内進路構成をし、停止限界標識から上り1番 までの開通を運転士に通告。
オタ:「8625A 3:55 小田原定着!」 シヨ:「8620A 3:55 新横浜定着!」 以上で新ATC現示試験終了!
関係各駅は、到着直後に隣駅と指令に到着の通知。これを現着通知という。そして指令は関係各駅より
現着通知を受領。そして関係各試験列車運転士よりパン下げ完了報告を受領
。新ATC現示試験に伴う随時加圧停止を通告。
・・・新ATC現示試験を終えたJ1は、小田原。T4は、新横浜にそれぞれ滞泊。解りやすく言うと日付の替わった深夜帯の試運転は前日入力のためで
ある。つまり、列車運行上の日付は5:00が境と考えれば良い。
翌朝、J1とT4は、東二両へ回送 された。この回送こそが狙い目! 疲労困憊のこの時期に、朝一発J1を撮ってから仕事というのは、何よりもこの私を元気にさせてくれる。 ハードワークもなんのその!
▼ 翌朝東二両へ回送 ▼ | |
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▲ 新ATC現示試験に伴う回送 J1=8622A |
▲ 新ATC現示試験に伴う回送 T4=8624A |
▲ この日は、2度東京に顔を出した J1=6730A |
6月6日深夜から始まった新ATC現示試験を主とする新ATC走行試験、新ATC最終 ソフト確認走行などは9月26日の“新ATC完成検査”をもって終了した。この3ヶ月間 J1は、T4とのすれ違い走行試験や、量産J編成とのすれ違い走行試験など、なかなか忙しく動いていた。期間中、J1の間合い回送が度々あったお陰 で、その元気な姿を見ることができた。そして10月1日5時40分 から東京〜新大阪間の 自動列車制御装置に1段ブレーキ制御機能を追加して使用を開始。これは、この日より開始された「新ATC乗務員訓練運転」に合わせて施行された。 これはいよいよ“新ATC実用の日”が迫ってきたことを示している・・・。
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