平成2年2月、東京は八重洲口付近のある居酒屋でのことでした。友人と18時に待ち合わせをしたのですが、仕事が早く終わり、店に17時半頃 着いてしまった。そこで、先に一杯やりながら友人を待つことにした。しばらくするとビジネスマン風の客3人組みが隣のテーブルに着座すると 何やら話し始めた。別に聞くつもりではなかったが、まだ時間帯も早く店も空いていて、否が応にも耳に入ってくるのでした。
A: 「…実はさぁ、川崎重工で先頭車の車体のせやった時、例のボルスタレス台車が入らないで大騒ぎだったんだ。そこで車両部とのやりとり
で台車が収まるようにあの部分をたたき出したんだ。」
B: 「へ〜っ、あの出っ張りはそのためなんだ。スノープロウにしてはちょっと変だし、空気抵抗を良くするためのスポイラーかなんかと思
ったよ。」
A: 「まぁ、苦肉の策って訳さ!」
C: 「ふ〜ん、なるほどね〜っ。」
この時は何のことを話しているのかさっぱり解らなかったが数年後、あの“居酒屋での話し”は、まぎれもないJ0誕生時の秘話であること に気がついたのでした。
* たたき出しをした部分はスカートとボディとの接合部分に当たるため、補強板をリベットで打ちつけてある。そのためこの部分に、雨水などが
浸透し、鉄錆びとともに流れ出ている様子を
時々目にすることがある。
この“J1の出っ張り”関係者の一部の者には、“お多福”なんて呼ばれている。
先月のこと・・・
「あたし、暑いのダメなのよねぇ〜っ。」
とは、私が行きつけの某美容院のお姉ちゃん!そんな話を聞くと思い出すのが営業列車時代のJ1だ。そうなんですよ、J1も暑いのがダメで
特に夏になると空調トラブル多発!車交の
連続・・・
原因は構造的なものもあり、量産車に比べて背丈が5センチ低いので空調ダクト自体が狭い。“アキレス腱”は、“関係者の悩みの種”でも
あった。そうそう営業列車最後の年の夏は空調トラブルの影響で盆休みまで
あったほどです。運○○○、検○泣かせのJ1!
この“アキレス腱”が原因で営業列車から外されたという一説もある。まだまだいろんなエピソードがあるが、それは次回の講釈で・・・
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