飛翔ホワイトイーグル!


The First Ride part1


N700系新幹線電車初乗車

■ N700系デビュー初日の1Aに乗車!

平成19年7月1日、99A=Z1は品川を定発!この出発式を撮影した私は、東京駅を同じ6:00に定発した1A=Z5に品川駅から乗車しました。 N700系デビュー初日の1Aということで切符は始発駅の東京から買っていました。そういえば私が始めて301Aに乗車した時はJ5でした。この 私は何故か5番編成には縁があるのでしょうかねぇ? そしてこの日、約10年ぶりに1Aの列番が東海のダイヤに戻ってきたのでした。

99Aの発車シーンを撮り終えると私は急いでD0#へと向かった。この時、時計の針は6:02を回ったところだった。1Aの到着まであと 4分。

写真は別日撮影 ▲ 東京駅14#で発車時刻を待つを1A。
  N700系デビュー初日はZ5・・・えっ、当日は梅雨の真っ只中で曇天だったのでは!?
例によってこの席

この写真は、平成19年8月11日(お盆の帰省ラッシュ)に撮影したものです。この日の1Aはダイ改初日と同じZ5
▲ 1A発車10分前の東京駅第7ホームの様子・・・

6:05 東京方より1Aが入線してきた・・・品川D0#6:0615定着!停車時間は僅かに45秒。私は 、最新Z5編成の8号車に乗り込んだ。

■ 車内は・・・

まず、車内に入ると“新車独特の匂い”がまず私を出迎えてくれた。と同時に1Aは、品川駅を6:07定発!そして最初に目を引いたのは、 車内通路出入口上にある大型化された案内表示板・・・通称、車内テロップだっ。今までのものとは違う二段のマルチカラー表示で、 次停車駅の開扉方向を表示する細新技術の投入で見ていてもとても楽しい。

デビュー初日の1AG車は略満席状態だった。品川発車後すぐにおしぼりサービスが始まり、私は息つく間もなくカメラを構えた。

■ 初日はイベント列車並の盛況!
「おしぼりでございます・・・ごゆっくりどうぞ。」

この1A、東京発車時点で既に満席に近い状態だったに違いない・・・品川では私を含めて5名程が乗車したか? 左の写真は11K1/2P付近 で撮った車内・・・いくらなんでもこんな状態が毎日続けば大変!会社は笑いが止まらないハズ!!

1Aの8号車は新横浜発車時点で満席となった。そして車内改札があり、検印後
「ごゆっくりどうぞ・・・」
と切符を手渡されるが、実際問題ゆっくりなどしている場合ではない。それにしてもこの1A、東京6:00始発の1番列車というのに イベント列車並の賑わいである。その半数以上が記念乗車に違いない!まぁ、この私もそのひとりであるがN7デビュー初日が日曜日で なかったら、99A出発式撮影後は即仕事となっていたことでしょう。出発式を撮ってなお且つ乗れる、これはなかなかおいしい体験である。


二段のマルチカラー表示!!
8号車後部の車内テロップ
新横浜を発車すると車内改札が始まりました。パーサーは笑顔で乗客ひとりひとりに丁寧に接していました。


「あらっ!?」
「ありがとうございます・・・ごゆっくりどうぞ。」

新横浜発車後の注目点はなんといっても、ご自慢の加速性能だっ。起動後、一気に加速する。はっきりとその違いが判るのが新横浜から 3キロ先の羽沢のR3000通過時だ。こいつは今までとモノが違う! そして相模川橋梁を渡って最初のトンネル、出縄トンネル を過ぎるとR2500があるが、今までであれば出縄トンネル進入の手前、丁度山側 に日向岡住宅が見える辺りで 減速する。N7は当然だが減速せずにR2500を通過・・・ここで車体傾斜装置によって外軌道側の空気バネが持ち上げられ傾斜角1゜で 走行するのだが、それすら感じさせないスムーズな走りは 圧巻である。こいつの話はひとまず後回しに・・・

■ ご自慢のG車シ−トは・・・

最初に着席したひかりN99編成氏
「Ohこれは今までとは全然違いますよ!」
そう言ってシンクロナイズド・コンフォートシートの背もたれを傾けた。そう、 なにか身体全体を優しく包んでくれているような感覚である。これは「例のバネ」効果であろうか・・・?


グリーン車の大幅なグレードアップを図ったN700系は、座り心地No.1のドイツ高速列車“ICE3”のファーストクラスに対抗すべく開発され たこのシンクロナイズド・コンフォートシートの中身 は複合バネの 上にウレタンを敷いた構造になっており、座面と背もたれが連動してスライドする仕組みになっている。長時間座っていて立ち上がった時 、再度この座席の良さを感じることでしょう。

私の場合、このようなシートに座るとまずは一杯やりたくなってしまいます。今日はビールの質もワンランク上のザ・プレミ・・・・・ といきたいところですネ。

さて、背もたれを傾け何気に上を見ると視界には車内照明が入ってくる。「上品且つやすらぎのある落ち着いた客室空間」というだけに、 700系の照明とレールスターの照明を足して2で割った様なデザインの車内照明は落ち着いた感じがする。また、N700系 は車両限界の関係 から現役車両より車体幅が20o短くなっているが、車内は700系より広く 感じるのはなぜだろうか・・・?

● 座ってみると、複合バネの効果か座面は体重を一旦受け止め、それからピッタリとフィットする。こいつは、なかなかの 優れモノだっ!


■ 夢のつづきはいかがでしたか・・・

話は前後しますが、新横浜〜乗車してきた女性がいました。この女性車内に入るや否や、網棚の肌掛けを 鷲づかみにし17番B席に座りました。


▲ フットレスト ▼
このお姉さまは、サクラではありません!では、のぞみ・・・ですか?
  あら、お姉さま・・・このような肌掛けの使い方、なかなか慣れているご様子で・・・普段からG車ご利用の常連様ですか?

車内改札が済むと物入れにある雑誌「WEDGE・ひととき」を見始めました。どう見てもこの女性、場違いの列車に乗ってしまったようです。 満席の車内の殆どは記念乗車組。でも周りを気にすることなくひと通り雑誌に目を通すと背もたれを倒し、すやすやと寝てしまいました。 余程このシートでの寝心地が良いのか、それとも単に睡眠不足で乗車したのか ?周りの雑音も気にせずとても気持ち良さそうに寝て 居ました。お姉さま、夢のつづきはいかがでしたか・・・? そうそう言い忘れましたが、このN700系G車シートにはレッグウォーマー も装備されておりますのでお足元が肌寒く感じたときはご利用下さい。スイッチは肘掛の手元にございます。


■ くつろぎの空間、仕掛あれこれ

このシートには様々な仕掛がある。まず最初に目をひくのがヘッドレストに内臓された読書灯だ。これだと通路側の座席の人でも隣席に 気兼ねすることなく使用でき、座ったままで角度を調整できるのだ。 このシ−トに座ってじっくりと「最速への挑戦」でも読み返してみると、N700系開発関係者の並々ならぬ 努力が伝わってくるハズ!

列車がトンネル内に入ると窓枠と網棚の隙間のライティングに目がいく。なかなかいい感じである。その横には風量調整可能な空調口が ある。空調の噴出し口は窓枠から通路に向かって開いているため、窓側席の空調循環が通路側席に比べて悪い。そこでこのような装置が 設けられた。


この細かな仕掛けがN700系のキャッチフレーズ・・・「おもてなし」のひとつ。私の場合、土曜日の 晩まで残業。日曜日は朝から撮影!この様な場合、移動中に寝ることがカギとなる。従って、車内でどれだけ熟睡できるか・・・が、撮影 そのものを左右するという結論に達する。まぁ実際に毎回G車とはいかず、その殆どは普通車自由席での移動というのが現状である。

この移動空間は、人それぞれの過ごし方がある。忙しいビジネスマンにとっては仕事の場。また、車窓を楽しみながらのんびりと一杯やる 方もいらっしゃることでしょう・・・それぞれが座るというより過ごす場所として利用できる。



ふと、携帯電話を見るとメールが着信していた。発信相手はJR-C社のS君だった。私が99Aの出発式を撮影していたのを目撃したとの内容 でした。そういえば以前、私とWひかり氏が “さよなら100系”のとき某国営放送の昼のニュースの第1映像にしっかりアップで映っていたため、あっちこっちからメールや電話が かかってきたのを思い出した。まぁ今回はこの程度だったので大騒ぎにはならなかった。メールの返信なんかしていたら携帯電話の バッテリーがなくなった。このN7G車は全ての座席にモバイル用コンセントが 備え付けてあるので、充電器さえ持ち歩いていればこんな時は非常に便利だ。 また、背面テーブルもノートパソコンサイズになっている のでこの移動時間が簡易オフィス環境に早変わり。私の場合は、思い立ったときHPの文章作りもたまにやるのでこの設備は有難い。

さて、そろそろ列車は小田原に近付いてきたがいっこうにワゴンサービスが現れない・・・?こちらとしては、この「くつろぎの空間」で そろそろ一杯やりたくなってきたのだっ。梅雨の車窓を眺めるにはちょっとばかり喉の方が寂しい。ビールもいいがここはワインなんかが あったら最高・・・


▲ワインのミニボトルにN700系デビュー記念のロゴマーク▲

■ やっときたワゴンサービス・・・
小田原:
99A=6:2430 1A=6:3130
▲ 小田原定通・・・99A通過の7分後に 1Aが通過する。

1Aは酒匂川橋梁を通過、従来であればここで230q/hに減速するのだが・・・N7はホールドのまま 6:3130に小田原を定通!実際何キロで通過しているのかな?ここは元々R3000であるが、小峰 トンネル付近の路盤が悪いため230信号が出るところだ。この辺のところはどうなっているのかは?だ・・・上りホームに10数名の マニア確認!

1Aが新丹那トンネルに入った時には、かなりお腹の方が空いてきたが、まだワゴンは現れない。今日は移動時間をスピーディーにするため 軽装で出てきた。99A出発式撮影後すぐに1Aに乗車したため食料は買っていない。しかもここまでノンアルコール! !「JRCPさん、我胃袋に早くおもてなしを・・・」


デビュー初日の大盛況に驚いていたMさん
(往路のワゴンサービスの様子)

待望のワゴンサービスが現れたのは1Aが三島を通過した後だった。8号車後方の車内通路扉が開いてワゴンが現れた時、辺りが一瞬輝いて 見えた。

早速ワゴンを呼び止めた。すると、ちゃきちゃきの難波っ子・・・かどうかは?だが大阪のクルーMさんが笑顔で丁寧に応対してくれた。 当日の99A,1A共ベテランパーサーのクルーで構成され、尚且つ増員で対応したが、狙われたワゴンとも言うべきか?客は、やれ領収書くれ だの列番入れてくれだのしつこいマニアが後を絶たなかった。N7のG車のワゴンサービスは最初に11号車 の車販準備室〜やってくる。つまり10号車後方の客が最初になる。で、東京発車と同時にワゴンサービスを開始する。つまり6:00 ワゴンサービス・スタートだ。1Aが三島を通過するのが6:4015だから単純に、ひと車両20分程 掛かった計算になる。原因はしつこいマニアの為・・・?

あれ、どこからか
「そういうあんたも、しつこいマニアだろうが・・・」
なんて声が聞こえてくる・・・図星!!まぁでもここはきちんと売り 上げに協力したことでご勘弁を・・・

さて、買うものを買ったのでまずは一安心といったところだが、この先限られた時間内で撮るべきものは撮らなくてはならないので アルコールは控えめ・・・


N700デビュー記念ビール+S社の3年連続金賞のビール グラハムサンド&アイスコーヒー 幕の内弁当“東海道”とN700デビュー記念のお茶

えっ、これ本当に当日の朝食!?
4社のビールのうちS社だけがN700系デビュー記念のロゴマークがなかったのはなぜ・・・?

まず、今日の朝食はというと・・・N700系のデビューにあわせて新発売されたグラハムサンド、こいつをいただくことにした。食物繊維 やミネラルが豊富な全粒粉を使用したこのサンドイッチは、どちらかというと私好みのビールのつまみだ。下手な乾き物をつまみにするより このほうが腹の足しにもなる・・・。

パンよりご飯という方は、やはり定番の幕の内弁当“東海道”とお茶でお楽しみあれ。R2500通過時に食べる“東海道”もオツナモノかも ・・・

さて、腹ごしらえをしている間に1Aは、梅雨空で富士山の見えない浮島付近を過ぎ、新富士を通過し富士川橋梁を渡り暫くすると町並みが 広がってきた。やがて東海道本線が海側に見えてきて並走し、オーバークロスすると静岡である。 静岡は所定ならば6:5315通過なんだが・・・この時は何故か時計を見るのを忘れていた。 安倍川橋梁を渡ると1Aは左にカーブしながらぐんぐん加速していった。
「えっ、こんなとこで加速すんのかよ〜っ!」
そう、今までではありえなかったことだ。これがN7の真骨頂!元々静岡駅は直後にR2000があるため制限 速度220q/hで通過し、安倍川橋梁を渡ると用宗のSカーブR2500となるため、220q/h〜255q/hまでに加速をとどめ 、日本坂トンネル手前辺りまで行ってそこから270q/hに 加速するというパターンだったのでちょっと驚きだった。後から聞いた話によると、この日の1Aは静岡を約1分の延通だったらしい。遅延 回復にR2500区間の270q/h走行は非常に頼もしい。某運転士に言わせると雪害の影響などで遅延回復に必死のノッチ操作行っているとき にR2500の区間を255q/hまで減速させる。浜名湖周辺や関ヶ原一帯は連続R2500区間が続くため、この速度制限はネックになるらしい・・・

■ 円滑な傾斜動作、車体傾斜システム・・・
車体傾斜装置によって外軌道側の空気バネが持ち上げられ傾斜角1゜で用宗のR2500をゆくZ2

車体傾斜は違和感なく円滑に車体を傾けることが最も重要なポイント。そのためには、空気流量を 適切に変えて空気バネの高さをうまくコントロールする必要がある。

かつて、300Xで空気流量のハード構成を試験し空気バネへの給気方法を取り 組み検討した。のちにこの取り組みで得た給気方法はJ1編成で走行試験を行い、空気流量及び空気配管構成などの設計に関する知見を取得 した後、N700系の車体傾斜システムに採用された 。松平 精氏の魂は、 現在の新幹線技術者へと着実に継承され進化を遂げた。

この車体傾斜システムは新ATCによって自列車の走行位置を把握し、制御伝送装置によってカーブに入る手前から車体の傾斜を空気バネに 指示。先頭〜最後尾車両まで順番に位置情報を伝え、空気流量を正確に送り込み傾斜をスムーズに連続させていくのだ。


■ N7本領発揮・・・

1Aは用宗のSカーブを左に、そして右へカーブしながら用宗トンネルを抜ける。自慢の加速と車体傾斜システムの働きでR2500を次々と クリア・・・N7の本領発揮といったところか。初日から遅延回復シーンを体験できたのはなかなかおいしい出来事だった。静岡での1分 の遅れは掛川で早くも○・・・?天竜川橋梁を渡り、浜松を通過するといよいよ連続R2500区間の浜名湖付近へと1Aは近づいてきた・・・

〜飛翔ホワイトイーグル!N700系初乗車part2へ・・・つづく〜

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