JR東海は27日、東海道新幹線の今冬の雪害対策を発表した。着雪監視用カメラを名古屋駅に8台新設するほか、始発列車前に上り回送 列車の運転を復活させることで営業運転への影響を軽減する措置を取る。同社では、設備面の雪害対策はこれでひと区切りとし、今後はソフト面で の対策に力を注ぐとしている。着雪監視用カメラは、停車中の列車への着雪状況を撮影し、光伝送路を使って中央指令所へその映像を送るシステム。 回転やズームが可能な高感度カメラを使用、ホーム下から車両下の機器類を中心に撮影する。中央指令所では、この映像や、沿線に派遣する監視員 からの情報連絡を基に速度規制の度合いを決めるため、リアルタイムの運行管理ができる。
現在、岐阜羽島駅上り、米原、京都両駅の下りに計19台が設置されている。更に名古屋駅の上りホーム下にも1線当たり4台ずつを新設すること で、同駅から上り方面で従来より、きめの細かい運行管理を行う。
上り回送列車は、早朝から米原地区に降雪がある場合、または降雪が予想される場合に走らせる。営業列車前に運転し、先に雪を付着させてしま
うことで、後続列車への影響を少なくするのが目的。平成4年度から平成10年度まで運転し、昨年度はいったん取り止めたが、2月から再開した
ところ、効果があることが分かり、本年度は正式に復活することにした。
このほか、名古屋駅の上りホームで実施している雪落とし作業員を5人増の20人とし、作業時分の短縮を図る。
昨冬は34日間、雪害規制を実施。実施日の1列車平均遅延時分は4.9分で、ほぼ前年並みだった。雪害による運休本数はなく、平成5年度に1本 あった後はゼロが続いている。
上り回送列車は、運転当日の0時近くに大一両を出庫し新大阪に据付、始発列車の5分前に発車して名古屋まで行く。その後は一旦名古両に 入庫し、昼過ぎ大一両へ向けて回送される。下りは雪害対策列車の設定をしない代わりに、平成9年11月29日改正までは1921A、改正後は1901Aの 回送列車があり、これらが降雪時には雪掃いをしていた。その後平成11年3月13日改正ではこの回送列車がなくなった。替わって名古屋からの 1番列車として491Aがこの役目を兼ねることとなり現在に 至っている。