ファンタジーはハーブティー
時々、自分の気持ちがざわめいているのに気づくことがある。この頃テンションが低いと思う時もある。なぜそうなるのか、私は知っている。忙しさにかまけて本を読んでいなかったのだ。
そう気づくと私は本を読むことにしている。特にファンタジーを。疲れていても読む。だいたい途中でやめられなくなるが、夜更かししても読む。そうすると、私の中でよどんでいる疲れがすうっと消えて、元気になれるから。
だからファンタジーは、私をリフレッシュさせてくれるハーブティーだ。
ファンタジーとの出会い
記憶にある初めて一人で読んだ本は、「ドリトル先生アフリカ行き」だった。小学校1年生だった。家の人に、「一人で読めた!」と言った時の、誇らしい気持ちは今でも覚えている。
それから、手当たり次第に本を読んだ。でも、読み返す回数が多かったのはファンタジーだった気がする。気に入った本を5回、10回読むのは当たり前だった。高校2年でミステリにはまり、3年ではSFに読みふけったが、その頃は数をこなすのが楽しくて、読み返すことはなくなった。
今はノンフィクションを手にすることが多くなった。でも、しばらく小説やファンタジーを読まないと心がガス欠になる気がするので、物語は私のエネルギー源だと思っている。
ファンタジーは心の洗濯だ!
私はファンタジーから、いろいろなものを学んできた。「ゲド戦記」からは、自分の内にある光も闇もありのままに受け入れること。「モモ」からは、焦らずに味わって生きることが時間を豊かにすること。「ライオンと魔女」からは、いさぎよく誤りを認める勇気を。
大人になって、一人で遠くまで出かけられるようになった。自分の判断でお金を使える。仕事もできる。自分以外の人に責任を負うようになった。毎日、その日にやらなければならないリストに線をひくことに追われている。
そういう時に私はファンタジーを読む。何が大切か見失わないために。私はこれを心の洗濯と呼んでいる。あなたにとって、ファンタジーは何ですか?
次回のコラムは「ベーコンの謎」お楽しみに
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