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2006年メール相談一覧2006 Mail consultation list

産業医契約について
投稿日付:2006年10月26日 14:00
名  前:早川
業  種:
タイトル:産業医契約について

先日産業医の先生(個人)と契約を結んだのですが、報酬は先生が経営されている医療機関ではない事務所に振込みを依頼されました。

この場合その事務所ともう一度契約を結べばよろしいのでしょうか。医療機関ではない事務所と産業医委嘱契約は労働安全衛生法の産業医契約としてよろしいのでしょうか

投稿日付:2006年10月26日 14:05
名  前:早川
業  種:
タイトル:産業医契約について

先日個人の先生と産業医委嘱契約を結んだのですが、報酬は先生が経営をされている事務所に振込んで下さいと連絡がありました。

会計事務所のほうからは個人と契約を結んでいるので事業所に振り込んではいけませんと言われました。

そこでその事務所と産業医の契約を結ぼうと思っていますが労働安全衛生法での産業医契約上問題はありませんか。

またその場合は産業医委嘱契約でよいのでしょうか?

Re:
 田中敏夫安全コンサルタント事務所のWebサイトを訪問頂き有難う御座います。
メール読ませて頂きました。

 その産業医の先生がその口座に振込みを依頼した経緯は分かりませんので、一概に言えませんが、契約先が個人で振込先が法人というのは経理上問題があるかなと私も思います。

>その事務所と産業医の契約を結ぼうと思っていますが労働安全衛生法での産業医契約上問題はありませんか。

労働安全衛生法では、所定の規模以上の事業場の事業者に対し、産業医の選任を義務付けていますが、選任する産業医が、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者であり、労働者の健康管理等を適切に行う事を求めています。

安衛法的に考えると、個人であれ事務所であれあまり関係はないと思います。というか、その産業医がどれだけ適切な仕事をしてくれるかの方が大切だと私個人としては思います。
労働災害防止特別安全衛生診断について
投稿日付:2006年 9月27日 11:54
名  前:佐野
業  種:製造業
タイトル:労働災害防止特別安全衛生診断について

よろしかったらアドバイスください。製造業の本社の人事・総務をしている者です。

先日、日本労働安全衛生コンサルタント会から書類が送られてきました。平成18年度自律的安全衛生管理活動普及促進事業(労働災害防止特別安全衛生診断事業)の診断を受けるようにという指示です。
後日、県労働局長の文書により趣旨を連絡するということでした。

まったく初めてなので、大変なことなのかたいしたことないのかも分かりません。どういうことなのかということと、対策をご教示願えれば幸いです。

ちなみに当社は大事故は最近ありませんが、小さい事故は多い方だと思います。
昨年か一昨年は特安事業所になっていたと思います。

Re:
 田中敏夫安全コンサルタント事務所のWebサイトを訪問頂き有難う御座います。
メール読ませて頂きました。

突然の郵便物でビックリされた事でしょう。お気持ちお察し致します。私も10月に安全診断に出向きますが、案内状を出す時には毎回気を使います。(ホントに!!)

本題に入りますが、この『自律的安全衛生管理活動普及促進事業及び労働災害防止特別安全衛生診断事業』とは、厚生労働省が日本労働安全衛生コンサルタント会に委託している事業で、厚生労働省の依頼により我々労働安全衛生コンサルタントが対象となる事業場を訪問し、安全診断或いは衛生診断をするものです。
診断にかかる費用は国より出ますので、診断自体にかかる貴社の負担はありません。

この事業には、リスクアセスメント(R/A)診断、安全診断、衛生診断の3種類があり、R/A診断を自律的安全衛生管理活動普及促進事業と言い、安全診断及び衛生診断を労働災害防止特別安全衛生診断事業と言います。

事業の目的は、診断対象事業場の安全衛生管理体制の確立推進及び事業場に潜む潜在的な危険及び有害要因の洗い出しと対策の確立指導が目的です。
そのために、労働安全・衛生コンサルタントが事業場を訪問し、関係書類及び事業場内を拝見し、現状・問題点・改善策等を報告書にまとめ、国と診断対象事業場に提出します。
それを受け、貴社は指導事項の改善を行ない、所定の期限までに改善報告書を国に提出する事となります。

大げさに考える事はないと思います。タダで事業場の安全・衛生診断が受けられ、潜在的な危険及び有害要因の洗い出し及び対策の樹立方法を指導を受けられてラッキーくらいの気持ちで良いと思いますが、限られた時間内で診断するため一部の部署しか見る事が出来ませんので、診断内容及び安全衛生に対する考え方を全社に水平展開し、安全で快適な職場環境の形成に努める事が診断を受けた事業場の責務だと思います。

診断を担当する労働安全・衛生コンサルタントと打合せを行ない、必要書類等を事前に確認されておくと診断がスムーズに進むと思います。
小規模建設工事の安全衛生管理について
投稿日付:2006年 4月17日 15:02
名  前:落合
業  種:通信業
タイトル:小規模建設工事の安全衛生管理について

初めてお便りいたします。いつも興味深く愛読させて頂いています。

タイトルにありますように小規模の建設工事を実施する際の元請会社としての安全衛生管理についてお尋ねします。

弊社は、元請会社として建設業法の対象となる大小規模の建設工事(工期、金額で判断)を受注しています。

下請負契約金額が3,000万以上の監理技術者が工事選任となる際の安全衛生管理はある程度理解できますが、下請負契約金額が2,500万未満の主任技術者が非選任となる際の工事(下請負契約500万未満程度)の安全衛生管理がまだ十分と言えません。

安衛法第30条で元請会社の労働災害を防止する措置として協議会組織の設置運営が規定されていますが、この場合、作業日数が仮に5日程度の場合であっても法令で規定されている以上、協議会組織の設置運営を行わなければならない事は理解できますが、この規定を運用する場合、工期は1月程度ある工事でも作業日数が5日程度で終わってしまう作業等の場合は協議会を開催している時間が中々取れないのが現状です。

そこで運用する際の手段の一つとして、新規入場者教育開催時、作業開始前のミーティング開催時等に現場の作業環境の周知、当日の安全作業についての指示等を作業員に周知して、その記録を残しておき、協議会の設置運営として良いのでしょうか。

お忙しいところ申し訳ありませんが、ご教授いただければ幸いです。

ありがとうございました。

Re:
 田中敏夫安全コンサルタント事務所のWebサイトを訪問頂き有難う御座います。
メール読ませて頂きました。

まず、建設業法で規定している主任技術者及び監理後術者の要件を整理すると、次の様になります。

建設業法では、建設工事の施工の技術上の管理を行なう主任技術者又は監理技術者を工事現場に置かなければならない事になっています。
主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適切に実施するために、建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の監理、施工従事者の技術上の指導監督の職務を誠実に行なわなければなりません。

主任技術者
監理技術者を置かなければならない特定建設業者以外の建設業者は、元請或いは下請に関係なくすべて、建設工事を施工する時は、工事現場に主任技術者を置かなければなりません。

監理技術者
発注者から工事を直接請け負った特定建設業者(元請)は、元請として一定金額(3000万円、建築では4500万円)以上の工事を下請に発注し施工させる場合は、工事現場に監理技術者を置かなければなりません。

主任技術者と監理技術者の関係は、発注者から工事を請け負った場合、その工事を施工する業者全てにおいて主任技術者を置かなければなりません。その中で、元請に関しては一定金額以上の工事を下請に発注した場合は、主任技術者に換わり監理技術者をその工事現場に置かなければなりません。
元請業者で監理技術者を置かなくても良いのは、その工事を自ら施工し、下請に発注しない場合と下請への発注金額が一定金額以下の場合が考えられます。その場合は、主任技術者をその工事現場に置かなければなりません。

また、主任技術者及び監理技術者は、公共性のある工作物の重要な工事については、工事現場毎に専任でなければなりません。
公共性のある工作物の重要な工事とは、次の工作物の工事で代金が建築で5000万円以上、その他2500万円以上の工事を指します。

・国、地方公共団体発注の工作物
・鉄道、索道、道路、上下水道などの公共性のある施設
・電気事業用施設、ガス事業用施設
・学校、図書館、寺院、工場、病院、デパート、事務所、ホテル、
 共同住宅など公衆又は多数の者が利用する施設
要するに、個人住宅を除いてほとんどの工事が対象になります。

主任技術者に関しては、
工事金額が2500万円以上の場合は、せんにん(選任)義務もせんにん(専任)義務も有ります。
工事金額が2500万円以下の場合は、選任義務は有りますが、専任義務はありません。
とは言え、工事金額が2500万円以下で主任技術者を常駐させても建設業法第26条3項の違反にはなりません。(笑)

監理技術者に関しては、
監理技術者を選任する時点で工事金額が3000万円以上となるため選任義務も専任義務(現場常駐)も有ります。

この選任義務と専任義務を理解していない場合は、大きな間違いにつながります。


もう一件の安衛法第30条の解釈の問題ですが、微妙な問題です。

協議組織の設置と運営に関しては、
安衛法第30条第1項で特定元方事業者等の講ずべき措置
安衛則第635条で設置と運営方法について
平成5年3月31日基発第209号の2「中規模建設工事現場における安全衛生管理の充実について」
平成7年4月21日基発第267号の2「元方事業者による建設現場安全管理指針について」等により示されています。

その中で、
安衛則第635条第1項で協議組織の参加者を
       第2項で開催頻度を     規定しています。
これは、もともと統括安全衛生責任者及び元方安全衛生管理者を選任すべき事業場を対象としていた様ですが、労働災害は中小事業場で多発しているために、「中規模建設工事現場における安全衛生管理の充実について」の通達により中規模建設工事現場(おおむね10〜49人規模の事業場)での安全衛生管理体制の充実を図らせる目的の様です。統括安全衛生管理体制の整備が義務付けられていない中小規模事業場においても大規模事業場と同等の統括安全衛生管理体制の整備の努力義務があると思います。

また、「元方事業者による建設現場安全管理指針について」の通達により、協議組織の開催頻度は1月以内毎となっていますので、実作業日が5日でも開催の必要を感じます。

協議組織の協議内容ですが、貴殿が提案する新規入場者教育時或いは作業開始前のミーティング時等に安全指示を出し、それを以って議事内容に代えようというのは少し違うかなと思います。
何故ならば、統括管理の目的は二つ以上の事業者の労働者が一の場所で混在して作業を行なう場合に発生が予想される災害の防止の為だからです。

新規入場者教育は新規入場者がある度に行なわれます。その目的は新規に入場する者に対し、事前に情報や現場の状況を教える事により危険回避の予備知識を与えるものだと思います。
作業前のミーティングはその日の具体的な作業内容の説明、業務の配置及びそれに対する安全指示を行なう場であり、グループ毎に通常は行なわれます。

前記の二つは指示及び指導を行なう場であり、協議組織は字の通り関係者が一堂に集まり作業調整や混在して作業を行なう事から発生する危険を防止するために協議する場と目的が違います。

しかし、今回の質問の場合は、実作業日数も短く、関係する作業員数も少ないので周知・徹底が図り易いと思います。ミーティング時に元請及び下請の作業員が一堂に集まり、指示・指導ではなく危険防止の為の話し合い(協議)がされるなら良しとしてもいいのではないですか。
但し、話の中で重要な事項は打合せ簿等でもかまいませんから記録を残して下さい。

投稿日付:2006年 4月18日 14:33
名  前:落合
業  種:通信業
タイトル:Re.小規模建設工事の安全衛生管理について

お世話になります。
質問をさせて頂いた落合と申します。

早速の返信ありがとうございました。

回答を読んで大変参考となりました。
田中さまが指摘されたように、新規入場者教育、作業開始前のミーティング等と協議会は各々の性質が違いますね。

今後は、田中さまのご意見を参考に小規模現場の安全衛生管理に取り組んで行きたいと思います。
今後もWebサイトを活用させて頂きます。
 
お忙しいところありがとうございました。
元方安全衛生管理者
投稿日付:2006年 4月 5日 20:25
名  前:工藤
業  種:建設業
タイトル:元方安全衛生管理者

 GOOGLEの検索でこのサイトの相談窓口を知りました。
首記の件についてご教示いただきたくよろしくお願い致します。

最近は建設業法の技術者の配置要件が厳しくなり、現地所長は必ず社員を派遣するようになりましたが、元方安全衛生管理者については、正社員でなく契約社員でも法的には問題無いのでしょうか。

問題無いのであれば採用したいと思いますが、その場合の派遣形態は、業務委託あるいは労働者派遣のいずれでも良いのでしょうか?専門性が高いので業務委託(請負)とすべきかと思うのですが、いかがでしょうか?

Re:
 田中敏夫安全コンサルタント事務所のWebサイトを訪問頂き有難う御座います。
メール読ませて頂きました。

簡単そうで難しい質問ですね。基本的に混在する事業場の統括管理については今回のご質問の内容は想定外という印象を受けます。

雇用環境の変化或いは労働者派遣法の改正等を総合的に考えると、私の個人的見解を書くのは忍びない様な気がします。近日中に労基署に行く予定が有りますので担当部署で聞いてみます。

即答できず申し訳有りません。

投稿日付:2006年 4月 6日 22:46
名  前:工藤
業  種:建設業
タイトル:Re:元方安全衛生管理者

早速の返信頂き、恐縮です。

一昔前なら気にしなくて良かったことが、今ではひとつひとつ正しいかどうか再検証しながら進めないと、思わぬところで痛い目に会うと、先輩達がこぼしています。

難しい質問かも知れませんが、これを避けてはいつまでも悩むことになりそうなので、何か参考になることがありましたらご教示いただければ幸甚に存じます。

いいホームページにたどりついてラッキーです。今後とも、よろしく御指導お願い致します。

Re:
返信が遅くなり申し訳ありませんでした。

結論から言うと、現在のところでは元方安全衛生管理者に派遣社員や契約社員を選任するのは専属要件から考えて難しそうです。

安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者等、元方安全衛生管理者及び一定の規模の又は一定の業務を含む事業場の産業医については、原則として、その事業場に「専属の者」を選任しなければならない事となっています。
その趣旨は、当該事業場の危険有害要因につき知悉(ちしつ)した上で、安全衛生管理に関して適切な措置を講じることができる者を充てるべきであると言う事です。

その趣旨により、派遣中の労働者はその事業場に「専属の者」には該当しないものであると昭和61年6月6日付け基発第 333号通達が出されましたが、衛生管理者については、則第7条第3号のロに掲げる業種(その他の業種)の事業場の衛生管理者及び衛生推進者については、危険有害要因が少なく、派遣中の労働者であっても衛生管理に関して適切な措置を講じることができる場合は、派遣中の労働者であってもその事業場に「専属の者」に該当するものであるとしたのが「自社の労働者以外の者を衛生管理者等に選任することについて」平成18年3月31日基発第0331004号通達です。

則第7条第3号のイに掲げる業種の衛生管理者及び衛生推進者、安全管理者、安全衛生推進者等、元方安全衛生管理者及び一定の規模の又は一定の業務を含む事業場の産業医については、派遣中の労働者はその事業場に「専属の者」には該当しないという事になります。

契約社員の場合も、前記の趣旨から考えて「専属の者」には該当しないと考える事が妥当だろうとの事です。

将来的には、具体的事例が出れば明確な見解が出るだろうとの事です。

こんな所で良いでしょうか。

投稿日付:2006年11月23日 21:35
名  前:工藤
業  種:建設業
タイトル:Re:Re:元方安全衛生管理者

お世話になります。

ご丁寧なフォロー回答をいただき有難うございました。
具体的な根拠を示して詳細に説明いただき、よく理解できました。
本件に関しては、遵法精神で取り組みたいと思います。

PCが調子悪くて、メールチェックが遅れてしまい、お礼を申し上げるのが遅くなり、申し訳ありませんでした。

今後とも、よろしくご指導お願い致します。
安全規程の有無
投稿日付:2006年 1月12日 11:50
名  前:田中
業  種:自然災害リスクコンサルタント
タイトル:安全規程の有無

 コンサルタント業ですが、しばしば、社外で建物や地質の調査を行います。

万が一、事故があった場合、安全規程が会社に無いのと、安全規程をつくっていて、守れていないのでは、会社としてどちらが問題でしょうか?


Re:
 田中敏夫安全コンサルタント事務所のWebサイトを訪問頂き有難う御座います。
メール読ませて頂きました。

会社に安全規定がないのと安全規定があるが守らないのではどちらが悪いですかとの質問ですが、『どちらも悪いです。』としか返事できません。

会社に安全規定がない場合は、労働基準法や労働安全衛生法が適用され、法を下回る行為は違法行為として罰せられますが、事業場の就業規則等の中に安全衛生に関する規定がまったくない場合はその事業場の企業責任に問題があると思います。

安全規定は事業者が関係法令を踏まえて独自にローカルルールを作成するもので、法の規定を下回る安全規定の内容は無効とされます。法の規定を上回る安全規定の内容はその事業場内では関係法令より優先されます。安全規定を守らない従業員が悪いと思われがちですが、事業者には従業員を労働災害や健康障害から守るために安全衛生規定を遵守させる義務を負っています。

そういう意味でどちらも悪いという事になると私は思います。
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