ゲド戦記

 アーシュラ・ル=グィン 清水 真砂子訳 岩波書店

既刊は、「影との戦い」「こわれた腕環」「さいはての島へ」「帰還」の4巻
5巻目の発売も予定されています。



アースシー世界を舞台とした魔法使いゲドの物語です。

「影との戦い」辺境の島で山羊を飼っていた少年ハイタカ(真の名はゲド)は、魔法の才能を見出され、魔法使いの島ロークで修行することになります。自らの驕りから呼び出してしまった影との孤独な戦いの物語。
「こわれた腕環」地底の巨大な迷路での闇の巫女テナーとの出会い。
「さいはての島へ」心の真っ直ぐな少年アランとの長く苦しい航海。
「帰還」使命を果たし魔法の力を失ったゲドが、新しい生き方を見出すまで。




copyright2001 げっこ

ハイタカとオタク
「ゲド戦記」と「指輪物語」を愛する絵描きのげっこさんのサイト「いやはての大地」を初めて訪問した時に、7000ヒットを踏んで描いていただきました。ハイタカ(ゲド)の穏やかな表情と愛らしいオタクの姿は、何度見ても心が震えるほど感動します。いつも厳しい顔で黙々と苦しい旅に耐えてきたハイタカ(ゲド)にも、オタクとの心やすらぐひと時があったのです。


「ゲド戦記」はいろいろな読み方ができる本です。

まずはじめは、魔法使いゲドの冒険の物語として素直に楽しみましょう。
そのうちに、人生の各ステージでの課題を克服する、ゲドの成長の書として読むようになる人もいると思います。

華やかさや楽しさは望めませんが、それだけに主人公のゲドやテナーのほかにも、沈黙の師オジオンや誠実な親友カラスノエンドウ、小さな旅の友オタク、そして人間とはまったく違う次元の知恵を持つ竜カレシンなど、登場人物の個性が際立ちます。

ファンタジーが好きな人だけでなく、ありのままの自分を好きになれない人や、人生の踊り場に立って迷っている人にもおすすめしたい本です。



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