J1 










 Epilogue2

リニア鉄道館・イベント広場のJ1

平成23年3月14日JR東海リニア・鉄道館がオープンした。そして、この年の夏 に期間限定で、イベント広場展示の 新幹線車両の運転台が公開された。最初に断っておきますが、本来ならJ1ではなく322-9001と表記すべきですが、ここではあえて呼び なれたJ1と記載させていただきます。

私は、営業列車時代のJ1、試験車に転向したJ1が廃車になるまでの間、走行シーンを14年に渡り撮り続けてきたが、未だかつて運転台の 中に入って撮影したことがなかった。そう、2011年8月21日は私にとって忘れられない日となった。念願のJ1運転台に入り撮影した日と して。

この日、リニア・鉄道館に足を運ぶのは3回目。色々とマニアックな細部写真が撮れるので実に楽しい。まぁ、自身が幹鉄マニアと名乗る 人なら、真っ先に来館してもらいたい。そこで、お薦めの○得は、 格安のぷらっと 名古屋日帰りツアー・・・いわゆる“大人の遠足”である。
当日は、突然の雨に10分前倒しの8:50開門。入館も10分前倒し の9:20。ここでチケットを購入し10:00の開館、ゲート オープンを待つのだが、すでにエントランスは来館客で一杯。あまりの客足の多さに9:50にゲートオープン!逸る気持ちを抑えつつ、 タイムトンネルであるシンボルエリアのシロクニとエックスの間をダッシュで駆け抜けイベント広場にまっしぐら!!

■ ついに、禁断のJ1運転台公開!

シンボルエリアを抜けると広々とした空間が広がり、前照灯をつけたJ1が威風堂々と目の前に現れる!  あと2ヶ月で50歳を迎える厳ついスタイルの親父が一番乗りで322-9001運転台へ。そこにはカメラを 構えたお姉さんがいた。記念写真をとのことだったので50歳の前祝いに1枚・・・。以外な展開に少々焦りを感じたが、ここは的確に撮影 せねば・・・と自身に言い聞かせ、限られた時間で撮りまくった。

▲ 322-9001の運転台

いつも撮る側なので、自分自身を撮られるというのは正直言って恥かしい。そこへもってきて、室内は思ったよりも暗く、スロー シャッターの撮影となり、おまけに空調が効いていないため汗かきまくり! J1よ君は、第3の人生に措いて も空調に難ありなのか!?

このJ1の運転台の速度計周辺の機器配置は、落成当初から2回ほど改造されている。左の写真は新ATC化後のもので最終スタイルだ。J0 時代からある両側窓横の卓上式スモールライトは健在! 計器盤を左から順に説明すると、ブレーキハンドルの上に位置するのが 圧力計で、その上が電圧計、右隣のモニタが速度計。この液晶タイプは新ATCになってからのもので、それ以前のものとはまるで違う! ノッチハンドルと逆転ハンドルの上にあるモニタは運行ナビ。その更に右にあるのが、運転状態及び自列車の情報を確認するモニタ。J0 時代はこの位置に電圧計があり、運行ナビはなく、ナビの位置に情報モニタがあった。また、ブレーキハンドルとノッチハンドルの間にある 丸いスイッチは、計器盤最上段の日差し部分の先端に位置していた。そして、天井にある大きなスライド式のバイザーは、やはりJ0時代 からのもの。当時はフラットな形状だったが、現在取り付けてあるものは瓦のような曲面状になっている。営業列車時代もそうだった ので量産化改造の時に更新したものとみられる。また量産化改造時 には、運転台の補助席を含めたモケットは、ライトブルー〜量産車と同じブラウン系のものになった。さて、次の節では量産3次車のJ21 の運転台と比較してみよう。


■ 量産3次車J21と比較する


▼ 322-9001 ▼ 323-20
● このスライド式の大きなバイザーは意外と圧迫感がある。量産車に
    比べ、全面・ 側面窓が大きく湾曲しているためこの様な形で取り付
    けられた。また、使い勝手の悪さからスモーク・フィルムが貼ら れた。
● 量産車は、全面窓・側面窓を縮小し反転式のバイザーにした。
    スモールライトは、 中央上部に配置され、グリーン車の読書灯に
    似たものになった。
● 計器盤の運行ナビと情報モニタの画面は、新ATC化前と同じ。
   
● 計器盤は、運行ナビと情報モニタの画面がデジタルLCX化にあわせて
    J1のそれより大きくなった。

この次の節では新ATC化以前の300系運転台と比較してみよう。


■ 新ATC化以前の300系量産車と比較する


 この節の写真は、いずれも過去の浜工イベント(1994.1995年)にて撮影したもの。
▼ 323-30(編成名登録前のJ31) ▼ 323-20
浜工搬入組立直後の新車
● 速度計はデジアナ併用タイプで、LEDバーグラフとデジタル表示、バーグラフの上の○型 ATC信号はアナログ。ノッチハンドルと逆転ハンドルは、
    ブレーキハンドルと同じ銀色。編成車両数を示すステッカー は緑色に黄文字、新ATC化後は水色に白文字になった。
▲ 運行ナビ ▲ 情報モニタ
● ちなみに、運行ナビに表示されている120qは、富士山バックの有名撮影ポイントの約9q 以東の位置。情報モニタの02信号は、無閉塞を
    意味し、速度計パネル には×印表示。

■ J1の運転台の特徴


▼ 列番設定装置 ▼ 通信機器類
列番設定装置を0301にし、駅コード(始発停車場)を01(東京)にすると301Aがコムトラに現れるしくみ。 一番右側にあるのが指令用無線装置
● 運転席背後にある列番設定装置は、左の4ケタが列番、右の2
    ケタが駅コード。これってもしかして初期設定状態!? 列番設定装置
    の右がICカード入れ
● 運転席左下には通信機器が ずらりと配置。なぜか卓上式スモール
    ライトが、いいアクセントになっている。
 

▼ スライド式のバイザーは大きく圧迫感があるため、当時から乗務員
    には不評だった。

▼ 助士席側は、運転士側と比べると計器類が殆どないため、かなり
    スッキリしている。
▼ 客室扉上部
● J1独特の客室扉上部灯と壁紙 ● あれっ!交検が平成23年3月14日 !?

車輪手歯止置場

▲ ハンドスコッチ置場にも編成名が表記
 

▲ 乗務員扉の内側の様子。補助椅子は、
     5全検時に700系と同じものに変更された

▲ 最終全検出場、平成15年10月2日
 

■ 運転台見学の様子


運転台見学は、親子連れだと制服借りて運転席に座って記念写真を撮る程度のもの。まぁ、子供は楽しいよねぇ。制服着てマスコン握って 空ノッチ入れて、はいポーズ・・・マニアはというと、必死になって計器類の細部写真を撮りまくる。ただ、ちょっと残念なのが、浜工と 違って計器類の説明や車両の違いをきちんと説明をできる者が誰もいない。せめてJ1がどのような履歴を持つ車なのか位は説明できない とねぇ。この車がなんで保存されてここにいるのかが解らないよ!

▲ 左右手前と人を入れずに撮るのにはいささか苦労した。
 左の写真は、上下とも323-20で撮影。制服の無料貸出しは両300系で実施。

  制服の無料貸出しと運転台での記念撮影。撮影は無料だが、
  出来上がった記念写真は 記念台紙付きで有料
 

夏休みということもあって、来館客はその殆どが親子連れ。ちなみに運転台公開がない時のリニア・鉄道館は、大半の子供が展示車両を 車内を含めて、ひと通り見てしまえば飽きてしまう。だからマニアの存在は非常に大切だと思うよ私は・・・その肝心なマニアはポツリ ポツリという感じでした。マニアといっても特に馴染みの顔はおらず、ある意味ホッとした感もあったが・・・。何れにしてもここリニア ・鉄道館は、濃いマニアにとっては実に楽しいところですよ。何せ、マニアックな車両が展示されていますからねぇ。昼は、2Fから のんびりと展示車両眺めて弁当食べながら新幹線の話に花が咲く。う〜ん大人の休日〜。但し、撮影はかなり苦労しますよ。特に人を入 れずに撮ろうとしたらね。まぁ、自分なりにリニア・鉄道館攻略法などを考え、実行してみるもヨシ!
「えっ、あんたもうとっくに実行してるじゃん。」
なんてどこからか声が聞こえてきそうな(笑)  そんなワケで、幹鉄マニア諸君 “大人の休日”楽しんでみませんか!?

リニア・鉄道館のパンフレットを開くと最初に、それぞれの「夢と想い出」に出会う場所と書いてある。 私の場合、J1にはだだならぬ想いがあり、ここへ来るたびにかつて行った数々の熱い撮影バトルシーンを思い出す。そう、あれは単なる 撮影ではなく熱いJ1との1対1のバトルだった。数えきれない思い出と、人との繋がりをつくってくれたJ1よ・・・また会いにくるよ きっと、その時まで元気でなっ。


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